徳島県ほどの大きさのドバイ
アラブ首長国連邦のドバイの人口は東京都よりすくない1000万人、
面積は徳島県ほどです。
この小さな国を本拠地とするエミレーツ航空は今、世界一の航空会社を目指しています。
経営の重荷になっている超大型旅客機
世界の航空会社はコロナ渦で旅客が大きく減少している為、大型の旅客機は厄介な存在に
なりました。特に総2階建てのエアバス社A380は導入しても運行できない状況となっています
その中でエミレーツ航空は他社と逆を行く戦略を続けています。
弱みを強みに変える
ドバイは小国であるという弱みを強みに変えるために、世界の人の長距離移動にドバイ空港を
利用してもらう戦略を作り上げました。
世界の人を一度ドバイに集めて目的地まで乗せ換える「ハブアンドスポーク」です。
ハブアンドスポークは自転車の車輪の形のたとえで、ハブは車輪の軸(集約された空港)
そこからのびたスポーク(棒のようなもの)が他の空港につながっています。
エミレーツ航空は大型旅客機しか保有してない
この戦略を実現するには大量の乗客を輸送する必要がありました。
しかも後発エアラインの為に、歴史あるエアラインと戦い、発着枠を獲得するには
限界があるため、1機あたりの多くの乗客が乗れる大型機となります。
そこで、旅客機はボーイング社 777(座席数約300)
エアバス社 A380(座席数約500) の2機種に絞りました。
それぞれ118機と143機を所有して、両機とも保有数が世界一となっています。
大型志向の根底にあるもの
おおきな機材でゆったり旅をしてもらおうというのが大型機志向の根底にあります。
A380プレミアムエコノミークラス
写真:東洋経済ONLINE
「コロナで使い道がなくなった超大型機A380をエミレーツ航空が飛ばし続ける理由」
https://president.jp/articles/-/53310
強気の戦略
エミレーツ航空CCOのAdnan Kazim氏によると、「ドバイを世界の中心と考えており、世界の東西を結ぶ役割を果たしてきた。他社は機内サービスを縮小しているところもあるが、
エミレーツ航空では一切のコストを削減してない」と話しています。
国家戦略の後押し
ドバイ国際空港は8600万人(2019年)が利用する世界4位の空港です。
現在、拡張工事が進められており、2025年に完成すると、年間1億6000万人
1200万トンの貨物を扱う世界屈指のハブ空港になります。
こうした支えもあり、エミレーツ航空の描く戦略は強気です。
コロナ後の将来展望
エミレーツ航空の予約は、欧米で規制緩和されているところから好調にはいっているそうです
V字回復する過程では多くの需要がみこまれており、それを満たすには大型機のエアバス
A380のような大型航空機がふさわしくなると見込んでいます。
ドバイというと石油の産出国であり、その資金が豊富にあるので、このようなことができるかと
思っていましたが、弱みを強みに生かした官民の戦略であったから実現できたと言えるでしょう
マッケンジー
参考サイト
「コロナで使い道がなくなった」超大型機A380をエミレーツ航空が飛ばし続ける理由」
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